自分が本当に大切なものを見極める方法

あなたが必要だと思っているもの、大事にしているものは、本当にあなたにとって大切なものだろうか? 

 

 

 

 

前々回の投稿でもお話ししたが、人間は生きているうちに、自分の本質以外のいらない洋服をたくさん着込んでしまっている。

 

 

 

見栄というセーター、人と同じでなくてはいけないというジャケット、いい人だと思われたいブラウス。

 

これらの洋服を脱いで脱いで脱いで、やっと本当の自分の姿は、本当に大切だと思っている価値観が見えてくる。

 

 

 

私は最近偶然、着込んでいる洋服の一枚を脱ぐ機会に恵まれた。

 

 

 

前回は、自分が本当に大切にしたいことを見極める方法をシェアしたが、

 

 

今回は、「私が着ていたいらない洋服」を脱ぐきっかけとなった=本当に大切なものではない、と気づかされた”経験”をお話ししようと思う。

 

 

 

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自分が大事だと思っていたけれど、手放してみると全く大切ではなかったと気づいたもの。

 

 

それは、

 

 

「港区内の自宅マンション」

 

 

だった。

 

 

 

 

 

 

私は数か月前まで、そのマンションでの生活を、自分の大事なものの”上位”にあり、

 

 

 

自分がとても大切にしたいものだと思い込んでいたので、まさかそれが必要のないものだったとは夢にも思わなかった。

 

 

 

 

しかし、私にとっての「港区内のマンション」は、

 

 

単なる「自尊心」を上げてくれるツール以外のなにものでもないと気づいたのだ。

 

 

 

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私は30代にそのマンションに引っ越し、約7年程住んでいたかと思う。

 

 

そのマンションは、芸能人や著名人がたくさん住んでいる、いわゆる高級タワーマンションだった。

 

 

高層階にある絶景ラウンジから始まり、スタディルームやシアタールームなど

 

様々な共有施設がある贅沢なマンションだった。

 

 

 

私の部屋は高層階で、そこから見る夕焼けや夜景は毎日見ても毎日ため息が出るほど、本当に美しかった。

 

 

部屋の中は、床壁天井まで全て真っ白。広さも十分あり、インテリア全て自分の好みに揃えていた。

 

 

 

 

 

場所も山手線内で、どこにいくにもとにかく便利。

 

毎日外から家に帰ってくると、この家に住んでいて、幸せだなあと思え、私の理想の生活がそこにはあった。

 

 

 

 

しかし、去年末くらいから色々なことがあり、直感的に住むところを変えた方が良い気がし始めた。

 

 

 

とはいうものの、なんせ自分で大切なものの上位だと思っているくらいお気に入りのマンションを実際に手放すとなると、

 

なかなか決断を下せず、実際に引っ越そうと決めるまで数か月を要した。

 

 

 

結局、自分のお尻を蹴って蹴って蹴りまくって、骨折寸前まで蹴り続け、

 

やっとのことで私は引っ越しを決めることができた。

 

 

 

(もちろんいつもの理論でメリットデメリットや収支計算など必要だと思われる論理的分析は全て行ったうえでの決断だ。)

 

 

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そしていざ引っ越すとなると、次にどこに住むのか、ということを考えなければならないのだが、

 

この部分はかなりへし折って結論だけお伝えすると、「郊外の一軒家」に住むことを決めた。

 

 

 

 

 

ひとつだけ理由をお伝えすると、そもそも私はタワーマンションにずっと住むつもりは元々なく、若い時だけの楽しみだと思っていた。

 

 

元々、郊外で庭がある一軒家で生まれ育った私は、静かで木々があり、庭に土がある環境に最終的には住みないと思っていたからだ。

 

 

 

 

そして実際に引っ越し。

 

 

一軒家にこしてみると、一軒家はどうしても部屋が細かく区切られていて、マンションのように解放感に掛ける。

 

 

また当たり前だが、部屋が1階と2階に分散しているので、階段の上り下りも面倒だ。

 

 

引っ越してから2-3日は、不便だなあ、嫌だなあ、と感じるところから始まった。

 

 

 

 

しかし1か月くらい一軒家での生活が過ぎ、新しい家での生活に慣れ始めたころ、ふとあることに気づいた。

 

 

 

 

私は、港区にも、ゴージャスタワーマンションに、何の未練も感じていないと

 

 

 

 

これには自分でも本当に驚きだった。

 

あんなに決断するのに時間を要し悩みに悩んだのにだ。

 

 

 

 

 

 

そこで、私がなんでこんなにも全く何の未練を感じていないのかを考えてみた。

 

 

 

それは、

 

 

 

・朝から晩まで太陽光がサンサンと部屋に入ること(東南西の全方向に窓がある)。

 

・とにかく静かで、聞こえてくるのは鳥の鳴き声のみ。

 

・周りも全て一軒家の住宅街のため、たくさんの緑に囲まれていて自然を感じられること。

 

・気のせいかもしれないが、人が優しい。

 

・大変だと思っていた都心へのコミュートも、本を読んだり景色をみているとさほど苦にならない。

 

 

 

 

これは前々回の投稿でシェアしたが、私が大切にしたい価値観に合致していたからだった。

 

 

 

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そこで、もうひとつ考えてみた。

 

では逆に、なぜ私はあそこまで港区のマンションに固執していたのか?

 

 

 

・マンションの内装が美しい

 

・マンションのサービスが良い

 

・自分の部屋が美しい(好み)

 

・どこに行くにも近くて便利

 

 

 

この辺りは、まあ理由としてあったのだろうが、大して重要ではないだろう。

 

 

 

私があのマンションから得たものの本質は、以下のはずだ。

 

 

 

・あのマンションに住んでいると、それだけで、人から羨ましがれたり、憧れられる。

 

 

 

おそらく、これに尽きると思う。

 

 

 

 

 

 

「港区のタワーマンション」というと、人は皆一定方向のパーセプションを持っている。

 

 

 

・一定以上の年収がなければ住むことができない高級な場所。

 

・住んでいる人はその条件を満たした人ばかり。

 

 

 

 

だからこそ、「港区内のタワーマンションに住んでいる」というだけで、人は私をそういうグループに属した人だと思ってくれるのだ。

 

 

 

 

 

そう。

 

私にとってあのマンションは、「薄っぺらい自尊心」を満してくれる最高のツールだったのだ。

 

 

 

なんと私はこれに気づいていなかった。

 

 

 

そしてそんな薄っぺらいもののために大金をはたいていた。

 

 

 

 

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私は、自分が「本当に大切だと思う価値観」に気づいていながらも、実際の生活との矛盾に気づいていなかったのだ。

 

 

 

前々回の投稿で、「自分が本当に大切にした価値観」を見つけたあなたも、是非

 

今の生活が、その大切にしたい価値観と本当に合っているかを考えてみてほしい。

 

 

 

合致していない場合、本当に大切だと思っていることが、実際はそうではない可能性がある。

 

私の「タワーマンション」のように。

 

 

 

 

 

そして同時に、同じような理由でやってしまっていることも一緒に顧みてみるとよい。

 

 

 

例えば、私が見つけた「自尊心を上げてくれるツール」としてのタワーマンションから派生させて考えると、

 

他にも同様の目的で行っていることに気づいた。

 

 

 

・流行りのファッションに大金をつぎ込むこと。

 

・自分の見た目にお金を掛けること(ヘアケアやネイル、まつげ、エステ)。

 

 

 

 

今だからわかるが、これらは間違っても私の「本質的な自尊心」を上げてくれるものではない。

 

 

あくまで、人のパーセプションを利用して、偽物の自尊心を上げるだけだ。

 

 

 

 

 

だからこれらは、実際によく行っていることであっても、私が本当に大切な価値観とは合致しなかったわけで、

 

 

かつ、これらの行動が私を「本質的に幸せ」にしてくれることはない

 

 

 

 

 

これに気づいた私の今の生活は、とてもシンプルになった。

 

もっというと、圧倒的に使うお金が減った(笑)。

 

 

 

 

 

是非前回の投稿と一緒に読み進め、あなたにとっての「港区のタワーマンション」がないか確認してみてほしい。

 

 

自分の本当に大切な価値観に沿った行動だけが、あなたのことを本当に求める生活に導いてくれるはずだから。